執筆時期 1964~65年
執筆者属性 20歳男性(論文として執筆)
論文「明治青年と現代の青年 現代我らいかに生くべきか」というタイトルが付されている。学校に提出された論文であるらしい。明治維新や韓国の朴正熙政権による上からの社会改革に対し批判をむけ、一方で中国の知識人弾圧にも疑義を呈している。
当時の政治的文脈への解像度が高くないと、文意が読み解けない箇所が少なくない。
後半では当時の書籍や社会党議員の発言を引用しながら、北朝鮮を理想郷として紹介している。北朝鮮では朝六時から市民が一斉に街に出て、道や街路樹、花壇の手入れをしていたそうだ。
書き手はこうした自発的な行動を促すからこそ、北朝鮮には「公徳心がある」と評している。
全編手書きでありながらほとんど書き損じがないこと、校正記号がところどころ使われていることから、往時の手書き文化が伺える。