古い日記は書かれている内容もさることながら、おまけページも興味深い物が多い。
今では「ネットで検索すればいい」と思われる、さまざまな豆知識や情報が載っている。
◯日本地図、路線図
◯手紙を書く際の時候のあいさつ
◯郵便料金表
◯贈答品控え
などなど。
贈答品や慶弔の金額をメモするページがあるのは、現在より人間関係が密だった時代を感じさせる。
珍しいものだと「星座の見方」や「麻雀の役」が載っていることも。
こちらは昭和6年の「ライオン当用日記」、現在も歯磨き粉などでおなじみの「ライオン株式会社」による日記帳である。

ライオンの広告が載っている。
「ライオン歯磨は子供さんによいやう調合してございます」
表現が牧歌的である。

保険や証券、ラジオ加入番号などを書く欄もある。
忘れたら困る情報はすべて紙に書いて記録する時代。

皇族方の誕生日、即位日など。
当時の方々にとっては日常的に必要な情報だったのだろうか。

麻雀の役の一覧。
この日記が発行された1931年(昭和6年)の前年には、空前の麻雀ブームが到来。1930年(昭和5年)5月時点における東京市内外における麻雀店の数は937店だったそう。(wikipedia)
別ページには麻雀のルール解説が載っている。

持ち主が書き進める日記に、編集部の巻頭言があるのは不思議だ。
岩波文庫「読書子に寄す」や角川文庫「角川文庫発刊に際して」にも似た気合の入った文章が書かれている。
